数物系
物質(物理)系
工学研究科
2018年
4. 原子1層の厚みしかないグラフェンシートの特異な物性
受講場所
対面
担当研究科
工学研究科
担当者
小林慶裕、根岸良太
最大受講人数
1人
【概要】
2010年ノーベル物理学賞の対象となったグラフェンは炭素原子が蜂の巣状に結合したシート状の物質です。電気特性や機械強度(鉄よりも壊れにくく、柔軟)が優れているだけではなく、電子の質量がなくなったり、壁をすり抜けたりする奇妙な振る舞いをします。本課題ではこのグラフェンがもつ特異な物性を探索します。
課題例1:2次元材料であるグラフェンシートを重ねて、押してみよう ~力学と電気特性の不思議~
2枚のグラフェンシートを重ねると、シートはお互いにファンデルワールス力で弱く結合します。さらに、層数を増加させて層間の結合が強くなると、3次元材料のグラファイトに変化します。本課題では、原子1層厚のシートを積み重ねた薄膜に圧力を加え、電気特性がどのように変化するかを調べます。圧力による変化とファンデルワールス力の関係から、2次元物質と3次元物質の違いについて考えます。
課題例2:グラフェンの磁気的性質 ~グラフェンは磁石になって浮遊するか?~
グラフェンが10層以上重なった3次元物質であるグラファイトは反磁性を持ち、強い外部磁場中では空中に浮上する現象が知られています。それを極限的に薄くした2次元物質であるグラフェンではどうなるのでしょうか?本課題では、単層~数層重ねたグラフェンシートを作製し、磁気浮上効果について調べます。
【備考】
受講生と担当教員(2名)とで相談の上、テーマ設定を行います。物質(物理)系の体感科学研究を受講した者はもちろん、未受講者でも物質やナノ材料に強い興味あれば
大丈夫です。上記2つの課題は例です。この他でも興味に応じてアレンジします。
ナノカーボン材料に関する研究提案も大いに歓迎します。