応用技術系
物質(物理)系
工学研究科
2020年

28.金属材料の凝固を観て、知って、そして、操る ~溶かしてつなぐ、溶接の魅力~

受講場所
オンライン, 対面
担当研究科
工学研究科
担当者
才田一幸,小椋智,山下正太郎
最大受講人数
1人
【概要】

鉄、アルミニウム、チタン、銅などの金属材料は、自動車・車両、航空機、船舶、橋梁、土木・建築、プラント、エレクトロニクスなど、私達の身の回りのありとあらゆる場所に使われています。水は温度変化、その時の状態に応じて固体、液体、気体などへ状態を変化させますが、金属にも同様の状態変化があります。その状態変化によって金属が持つ特性が劇的に変化します。
 金属を用いたものづくりでは、材料を「つなぐ」技術である『溶接』が使用されます。溶接過程で、材料は加熱され、溶けて、固まって、冷却されますが、その間に、相変化、結晶成長、拡散・反応、組織形成といった様々な現象が生じます。これらの組織変化は単純ではなく、様々なサイエンスに基づいて起こり、中には経験的に捉えることでしか説明できないくらいに複雑なものもあり、これらを正確に理解するのは至難です。このことは,ものづくりに携わる技術者・研究者にとって非常に大きな問題となっています。
 金属の特性は、その組織変化と密接に関係しているので、より良い製品を作り出すためには、溶接による組織変化を理解し、予測し、コントロールしなければなりません。特に,固まるという現象(凝固)は、溶接にとって、不可避、かつ、最も特徴的な挙動ですので、凝固を深く理解し、高度に制御することが求められます。
 この実感コースでは、「ものづくり」エンジニアや研究者を志す皆さんに、将来、携わることになるであろう「つなぐ」技術に着目して、その面白さや魅力を発見してもらいたいと思っています。本テーマでは、ものづくりに必要不可欠な『溶接』を知るための第一歩として、溶接による凝固を観て、知って、そして、操ることの科学を探究したいと考えています。この科学研究を通じて、溶接を楽しく、深く理解しましょう。

【備考】

現時点では実施内容について理解が及ばないかもしれませんが、この実感コースを経験すると必ず理解できます。予備知識などはゼロでも大丈夫です。少しでも興味があれば手を挙げてみてください。
特に、自動車・航空機などの輸送機器から、プラントや橋などの大型構造物まで、ものづくりの要素技術、材料(金属に限らず)に興味がある方は是非!!