数物系
基礎工学研究科
2018年
2. 紙の上で電卓をつくろう -- 高校数学 I の少し先へのいざない II
受講場所
対面
担当研究科
基礎工学研究科
担当者
石渡通徳
最大受講人数
1人
【概要】
皆さんは当たり前のように「電卓」を使った経験をお持ちでしょう。いまや100円でも買える電卓ですが、100年前までは「夢の機械」で、大量生産されるようになったのは戦後のことです。「夢の機械」電卓が「100円で買える日常的ツール」になった背景には、技術の進展もありますが、「文章を計算することができる(「数の計算」ではありません!)」ようになったこと、すなわち「数理論理学」の成立が決定的でした。というとなんだか難しく聞こえますが、なんのことはなくて、高校課程「数学 I」の「式と証明」そのものにすぎません。本研究では(1)「文章を計算する」ことができるように数学 I のちょっと先を補足し、(2)まずは「足し算」を行う回路を設計して、(3)場合によっては乾電池と豆電球で「電卓を作る」ことを行います。社会で「役に立たない」と思われがちな高校課程数学の教科書的内容こそが「役に立つ」技術の本質を支えていることを手作りで「実感」してもらう講座です。
【備考】
体感科学研究テーマ番号T1703「文章を計算し、無限を数えるー高校数学 I の少し先へのいざない」と密接に関連する内容ですが、受講経験は問いません。受講希望者はあらかじめ、高校課程「数学 I」の「式と証明」の章を復習し、受験参考書などを用いて問題演習までやっておくと実感研究の進みが早くなります。その他あらかじめ読んでほしい文献や予習問題は、受講決定後に指示します。受講中も自宅での学習が主で、顔を合わせてお話しする際は自宅学習の疑問点の解決、および発表資料・内容の構成が主となります。この流れは数理科学における「大学院での研究」の流れと全く同じです。