物質(化学)系
工学研究科
2017年
18. 遷移金属触媒による不活性結合の活性化
受講場所
対面
担当研究科
工学研究科
担当者
茶谷直人
最大受講人数
1人
【概要】
有機化合物とは炭素原子を含む分子の総称です。普段の生活ではほとんど意識しませんが、プラスチック、繊維、洗剤、顔料、医薬、液晶分子など、様々な有機化学物が私たちの身の回りにあり、それらを利用することにより私たちの生活がより便利に、豊かになっています。ところで有機化合物を作るためには2つの分子中それぞれの炭素原子と炭素原子をいかに結合させるかが鍵となります。この場合、結合をつくる2つの炭素原子にはそれぞれ”官能基”と呼ばれる特殊な原子団が付いており、それらがはずれるとともに、新しい炭素-炭素結合が形成されます。一方で、有機化合物内にもっとも多く存在する水素原子は官能基とはなりません。したがって、水素原子を炭素原子(原子団)に置き換えるには、いったん別の官能基に置き換えた上で、炭素-炭素結合形成反応を行うという、手間がかかる方法で行われます。しかし近年、有機化合物中の水素原子を直接、他の炭素原子(原子団)に置き換える方法が注目されています。このような方法を不活性結合の活性化と呼びます。今回はこの不活性結合の活性化を遷移金属触媒を用いて行います。