物質(化学)系
物質(物理)系
基礎工学研究科
2019年

15. 理論とコンピュータで化学する「量子化学」の世界

受講場所
対面
担当研究科
基礎工学研究科
担当者
中野雅由、北河康隆、岸亮平
最大受講人数
1人
【概要】

化学は、物質の構造、性質、反応を原子・分子に基づいて研究する自然科学の一つです。化学は、実験から得られた結果をもとに原理や法則を発見し、様々な物質を作り出し、社会に役立ててきました。実際、現在、我々の周りにあるほとんどの物質は化学により作り出されたものです。化学の研究を行うには実験が欠かせません。一方、物理で見出された万物の根本原理を記述する「量子力学」に基づいた化学–「量子化学」–を用いた研究方法があります。これは、化学実験を行わず、量子力学の根本方程式(シュレーディンガー波動方程式)をコンピュータを使って解くことで、仮想空間上に原子・分子のモデルを構築し、それを用いて研究を進める理論的な方法です。従って、高校の化学で法則と教えられてきたものがより深い原理に基づいて解き明かされます。本テーマではこの量子化学を使って化学現象を理解し予測する基礎研究に取り組みます。具体的には下記の内容を実施します。

  1. 量子の世界:原子、分子の中の電子の振る舞い
  2. 量子化学による「化学結合」の記述に基づく分子の構造・性質・反応の理解
  3. 量子化学を使った物質設計
【備考】

基礎工学部化学工学コースの別テーマ「光触媒について研究してみよう」を実施する場合は実施しません(どちらか一方のみ受入れ・実施)

  • 高校で習う経験的な化学現象の説明に満足していない方、原子・分子における電子などミクロな世界の粒子の振る舞いに興味がある方、実験や経験によらず理論とコンピュータで新しい物質、機能、反応を設計してみたい方を歓迎します。
  • 化学の内容ではありますが、理論物理や数学に興味のある方も歓迎します。
  • 量子化学シミュレーションを行いますので、コンピュータの扱いになれていることが望ましいですが、必須要件ではありません。