数物系
物質(物理)系
工学研究科
2017年
1. 計算機シミュレーションでミクロの物質の世界を見てみよう
受講場所
対面
担当研究科
工学研究科
担当者
森川良忠、稲垣耕司、木﨑栄年、濱本雄治
最大受講人数
2人
【概要】
近年、電子計算機と計算アルゴリズムは目覚ましく発展し、4年に10倍のペースで性能が上がってきている。現在では、銀河の衝突や天気予報、地震波、津波の伝播等の自然現象から、飛行機、列車の空気抵抗、自動車の衝突実験や経済の動向までさまざまな現象が計算機シミュレーションによって予測され、社会的にも大きな影響を与えるようになってきている。チェスの世界では1997年、日本の将棋でも2013年にそれぞれプロが計算機に敗退していたが、2016年には囲碁においてもプロ棋士が計算機に敗退し、人工知能の発達に世間の注目が集まった。
従来、物理学では理論と実験の二本柱の研究によって発展してきたが、計算機シミュレーションは第三の柱の地位を持つようになってきている。特に物質科学の分野では、物理学の基本原理に基づいて物質の構造や安定性、反応過程等を精密に計算する第一原理シミュレーションが発展してきており、あらゆる物質に適用可能な究極の理論 (Theory of Everything) として注目されている。
本テーマでは計算機シミュレーションによって物質のミクロの世界を見、物質の性質を支配する物理的要因を明らかにすることをめざす。
【備考】
様々な物質が示す現象、たとえば電気伝導や、磁気的性質、化学反応過程、熱による構造変化など、物質が示す多様な性質を発現する要因となる物理学の基本原理に興味を持つ受講生、あるいは、計算機を使ったシミュレーションに興味を持つ受講生を歓迎する。